赤字や債務超過の会社でもM&Aは可能?成功させるポイントも!
赤字や債務超過の会社でもM&Aで売却可能です。
現在赤字であっても、調査結果によって買収する価値が見いだせればM&Aは可能になります。
この記事では、売却方法や成功するポイントをご紹介します。
諦めかけていた方も、一度M&Aを検討する材料にしてみてください。
1. 赤字や債務超過の会社でもM&Aは可能!
赤字や債務超過の会社でもM&Aを実施して成功させている例もあります。
実際に経営不振のホテルや旅館のM&Aが行なわれ、再生させています。
実際のところ、赤字や債務超過の認識が間違っている人もいるのでご説明します。
赤字とは
赤字とは、借金を抱えているという意味ではありません。
設備投資などに出資をして経費が増加し、年度単位でみると収入よりも支出が多い場合を赤字と言います。
そのため、赤字だからといって倒産の危機に陥っていると一概に判断はできないのです。
もちろん、長期間で赤字が続いていると債務超過に陥ることもあります。
また、借金は多くの会社で抱えています。
事業を始める時など、開発の際は多くの投資が必要になるためお金を融資してもらっていることが多いです。
つまり赤字というだけで、すぐに業績が悪いとはいいきれません。
債務超過とは
債務超過とは、貸借対照表の資産よりも負債が多いことで、会社の資産を処分しても負債をなくすことができない状態のことを言います。
この場合、経営状態は危険だと判断されてしまうことが高くなってしまいます。
長期間債務超過になってしまうと、最悪は倒産となる恐れもあります。
M&Aで実施される企業価値算定方法
しかし、赤字や債務超過の会社もM&Aを実施されているケースもあります。
それはM&Aで行われる企業価値算定方法によるからと言えます。
企業価値算定方法として以下の方法が取られています。
- DCF法
- 時価純資産法
DCF法
DCF法とは、将来のお金の流れや企業の価値を算定することを言います。
そのため、赤字や債務超過の場合であったとしてもM&Aを行なうのに問題はありません。
売却対象の会社が、組織の再編や資金の調整によって利益を生むと判断できるのであれば、M&Aは可能となります。
時価純資産法
時価純資産法とは、評価時において会社が保有している資産の時価総額から、負債を控除した額を企業価値とする方法です。
時価純資産法であれば、営業権も純資産に加えられます。
営業権とは、賃借対照表に載っていない会社が保有する技術やノウハウのことを指します。
また、所有する株式や土地に含み益があれば譲渡額を得ることができます。
このように、資産と負債の項目を時価で再評価し直すことにより、時価ベースにて企業価値を置きなおします。
2. 赤字・債務超過の会社をM&Aで売却する方法
- 株式譲渡
- 事業譲渡
- 会社分割
- 合併
赤字や債務超過の会社をM&Aで売却する方法は以下にまとめられます。
株式譲渡
株式譲渡とは、自社株式の譲渡によって経営権を移転する手法のことを言い、面倒な手続きがないため最もM&Aで利用されている方法です。
これは赤字や債務超過の企業にも問題なく利用できます。
また、売却価格が高額であっても所得税が20.315%と一定のため、売り手側としては有利な方法です。
事業譲渡
事業譲渡とは、売却対象となる会社の特定の事業のみを買収相手に譲り渡す手法です。
売り手側は売却益を得ることができるので、借金返済に充てることができます。
買収側としても、簿外債務を引き受けるリスクを回避できます。
事業譲渡によって営業権を獲得することで、負債を抱える会社自体を買収する必要がありません。
そのため、買い手・売り手側にメリットがあるため、赤字会社を対象にM&Aを行なう場合は、事業譲渡の方が適していると言えます。
合併
合併とは、2つ以上の会社を1つにまとめ、会社の資産や負債を1つの会社にまとめることができる手法です。
1つの会社に継承するか、新しい会社を新設する方法があります。
合併によって、法人税が抑えられるため、節税対策としてM&Aを行なう企業もあります。
負債超過の企業を買収することで、買収会社の黒字で相殺できるため、通常であれば黒字部分に必要であった法人税の支払いを抑えることができます。
3. 赤字や債務超過のM&Aを行なうメリットとデメリット
買い手 | 売り手 | |
メリット | ・法人税の節税 ・シナジー効果による利益 |
・売却益を得られる ・従業員の雇用維持 |
デメリット | ・外部からネガティブな印象を持たれる ・簿外債務を引き継ぐリスク |
・詐害行為とみなされるリスクがある ・買い手が見つからない |
買い手のメリット
- 法人税の節税
- シナジー効果により期待される利益
赤字や債務超過の会社に対してM&Aを行なうことによって、黒字を買収した企業の繰越欠損金によって相殺することで法人税を節税できるメリットがあります。
また、自社には無い事業を買収することで、技術やノウハウを手間なくスピーディーに得られます。
それにより、シナジー効果が得られ利益になることも考えられます。
買い手のデメリット
- 外部からネガティブな印象を持たれる
- 簿外債務を引き継ぐリスク
買い手企業が赤字や債務超過の会社をM&Aで買収しようと考えていることが外部に漏れてしまうと、投資家や取引先にこの会社の業績は危ないとネガティブな印象を持たれてしまうこともあります。
また、売り手会社の負債も引き継ぐ場合、簿外債務などの偶発債務を引き継いでしまうリスクもあるため、丁寧なデューデリジェンスを行ない防ぎましょう。
売り手のメリット
- 売却益を得られる
- 従業員の雇用維持
自社が赤字や債務超過であってもM&Aは可能だという事が分かりました。
M&Aによって得られるメリットは、買収によって売却益を得られるため、負債の返済に充てることができます。
また、そのままでは廃業や倒産に追い詰められていたかもしれなくても、M&Aによって従業員の雇用を維持することができるメリットがあります。
売り手のデメリット
- 詐害行為とみなされるリスクがある
- 買い手が見つからない
赤字や債務超過の会社がM&Aを行なうデメリットとして、債権者に詐害行為と思われてしまうリスクがあります。
詐害行為とは、債務超過などに陥っている会社が債権者に対する弁済を免れる目的で行われることが多い行為です。
また、もともと赤字や債務超過の会社を買収したいと思う会社は少ない傾向もあります。
そのため、売却したくても買い手が見つかりにくいデメリットがあります。
4. 赤字や債務超過のM&Aを成功させるポイント
買い手企業にありのままの現状やリスクを伝える
詐害行為だと思われないために、買い手企業に自社の負債などをありのまま伝え、リスクを伴う可能性について事前に伝えておく必要があります。
私的整理や債権放棄しておく
なるべく負債を減らすことによって、買い手にとってなるべく負担を減らすこともM&Aを成功させるポイントになります。
私的整理と債権を放棄する方法として、金融機関に債権放棄を交渉することです。
しかしながら、金融機関にとっては損をすることになるので要求を通しづらいことも考えられます。
要求を通すことができれば経営状態が改善されて再建の目途が立つため、M&Aを考えている場合は事前に行っておくといいでしょう。
企業価値を見直し価値を見つける
企業価値を見直すことは、買い手企業にとって買収の利益とみなせるポイントを増やすことになります。
資産や株式に含み益があれば現在の企業価値よりも改められ、買い手が欲しがる要素を増やすことができます。
M&Aを行なう前に自社の正しい価値を見直すことが成功につながります。
要望が叶えられる買い手かどうか判断する
赤字や債務超過の会社は買い手が見つかりにくい面があると説明しました。
そこで、買い手が現れたからといって、すぐに売却を決断することは危険です。
自社の要望や目的に沿ったM&Aになると確信を持てる買い手企業でなければ、結局失敗してしまうリスクもあります。
M&Aを行なうことがゴールと決めつけず、従業員の雇用が守られるのかなど売却にあたる要望について交渉することが重要です。
5. 赤字や債務超過を抱えている場合M&Aを視野に入れてみては
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