【2020年】ホテルや旅館など宿泊施設のM&A事例を紹介
ホテル業界のM&Aを検討している方に向けて、どういったM&Aが行なわれているのか気になりますよね。
この記事では宿泊施設のM&Aについて参考にするため、2020年を含める最新の事例を取り上げました。
ホテルや旅館業界の特徴やM&Aの動向をご紹介します。
1.宿泊施設のM&Aについて
宿泊業界の特徴
ホテル・旅館・民泊などの宿泊施設は、アメニティやサービスを最小限にしたビジネスホテルや、ラグジュアリー体験ができるリゾートホテルなど、しっかりとしたコンセプトが決まっています。
そのため、ターゲット層がはっきりと分かれた特徴があります。
宿泊施設では宿泊だけでなく、披露宴、ビュッフェなどの飲食など様々なサービスを提供している事業です。
他に、経営面での特徴として、
- 閑散期と繁忙期がある宿泊施設の稼働率を一定にすること
- 施設の老朽化による補修
- 従業員や家族経営により後継者の人手不足
上記のことが挙げられます。
宿泊施設のM&A
ホテルなどの宿泊施設は東京オリンピックや大阪万博や、インバウンド増加による宿泊施設の需要が高まっています。
東京や大阪のホテルは外資ホテルや異業種からの参入により増加傾向にありますが、地方の旅館は減少傾向にあります。
この機に、ホテルや旅館を同業界の大手企業が、事業拡大や付加価値によって差別化をはかる目的でM&Aが積極的に行われています。
また、M&Aのメリットである、異事業とのM&Aによって生まれるシナジー効果が期待できます。
M&Aを選択している売り手は業績の不振・後継者問題・損失の回避を理由として売却を選択しています。
業界自体が好調であったとしても、上記の問題がある宿泊施設が増加しておりM&Aで第三者に売却していると考えられます。
2.2020年に宿泊施設でM&Aが行なわれた事例
どのような企業がホテル・旅館・民泊などの宿泊施設の買収を行なっているのか、最新の事例とスキームや目的についてご紹介します。
穴吹興産による祖谷渓暗線観光のM&A
スキーム:株式取得
目的:地域・プロモーション戦略を目的とした事業拡大
2020年6月に、穴吹興産による、「和の宿ホテル祖谷渓温泉」を運営する祖谷渓温泉観光の株式の約98%を取得し子会社化しました。
穴吹興産はグループの穴吹トラベルでは四国瀬戸内の魅力を世界に発信し、インバウンド事業を行なっています。
観光関連事業の拡大、瀬戸内の観光促進にとって、和の宿ホテル祖谷渓温泉の地域戦略やプロモーション戦略のノウハウを取り込むことをM&Aの理由としていると考えられます。
DDホールディングスによる湘南レーベルとサニーサイドインのM&A
スキーム:株式取得
目的:ホテル事業の環境変化に対応
2019年11月に、株式会社DDホールディングスによる、湘南レーベル株式会社の株式取得、合同会社サニーサイドインの連結子会社化を実施しました。
DDホールディングスは、消費者のライフスタイルや嗜好に多様化できる事業の拡充や、地域開拓をM&Aの理由としています。
ウェルスマネジメント株式会社による山陽興業株式会社のM&A
スキーム:株式取得
目的:ホテル運営に特化
2019年3月に、ウェルスマネジメント株式会社による、山陽興業株式会社の全株式を取得し子会社化を決議し実施しました。
ウェルスマネジメント株式会社はオフィス、ホテル、商業施設の不動産金融ビジネス事業と、ホテル運営マネジメントビジネスを展開しています。
山陽興業株式会社は京都市東山区に「ホテル東山閣」を運営しています。
会社分割により新たに設立する法人に保有不動産と管理業務を譲渡して、ホテル運営業務に特化することがM&Aの理由と考えられます。
アールビバン株式会社による大江戸温泉物語株式会社のM&A
スキーム:事業譲渡
目的:業績不振
2018年10月に、アールビバン株式会社は子会社であるTSCホリスティック株式会社が所有する「タラサ志摩ホテル&リゾート」を、大江戸温泉物語株式会社に事業の譲渡を実施しました。
タラサ志摩ホテルは宿泊者数や客単価を伸ばすことができず、営業損失が続いていたことが理由と考えられます。
株式会社ニトリによる小樽の旅館「銀鱗荘」のM&A
スキーム:所有権取得
目的::観光発展
ニトリは2018年8月小樽の老舗料亭・温泉旅館の「銀鱗荘」の所有権を取得しました。
2018年8月からニトリの子会社である株式会社ニトリパブリックが旅館の運営を引き継ぎ、運営を開始しました。
ニトリはこのM&Aにより、創業の地である小樽エリアでの観光発展に寄与する狙いとしています。
3.ホテル・旅館など宿泊施設のM&Aの動向
webマーケティングによる予約増加
webマーケティングによるノウハウを駆持つ企業に売却することにより、自社サイトや旅行サイトの活用、広告の利用を通して予約数が増加している動向が見られます。
宿泊施設のみでは最新ネット技術に追いつくことができずに、客数を逃してしまっているところも少なくありません。
M&Aによって、最新のスキルや技術を手に入れて宿泊事業を再編しています。
廃業を選ぶ企業が多い
ホテルなどの宿泊施設はインバウンドの増加や東京オリンピックを予定しているため、需要が高まっています。
その反面、宿泊施設は経営難や後継者問題などの経営課題を抱えている場合が多あります。
業界全体が好機であるにもかかわらず、客足が伸びず宿泊事業の廃業を選択している企業も少なくありません。
中国企業が進出している
インバウンドによる需要が高まっており、国内だけでなく海外企業からの投資を目的とした宿泊施設の買収が行なわれています。
その中で、最近の動向としてM&Aによる中国企業による進出が高まっています。
中国企業が、数泊施設の改修や中国人向けの日本ツアーの実施などによるインバウンドの獲得や投資を目的にM&Aを実施していると考えられます。
4.メリットとデメリットを把握してM&Aを視野に入れてみては
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