ホテルや旅館の宿泊施設でM&Aが失敗する理由を解説!
ホテル・旅館などの宿泊施設ではM&Aの動きが高まっている動向にあります。
しかしながら、M&Aは必ずしも成功するとは限りません。
この記事では、M&Aが実施された中でも失敗してしまった理由をご紹介します。
M&Aについて気になっている方はぜひ参考にしてください。
1. M&Aにおいての失敗とは
M&Aにおいての失敗とは、下記のことを指します。
- 投資対効果が薄い
- 損失が発生する
- 破産する可能性もある
これらについてご紹介します。
投資対効果が薄い
投資対効果が得られないということは、投資した額と比べて結果の利益が割に合わなかった状況と言えます。
これはM&Aの失敗事例の理由としても多い場合があります。
競合がいて相場よりも高値で取り引きし、買収してしまったことが原因と考えられます。
勢いで買収企業を決めてしまうと、買収後に事業が思うほど上手くいかず利益を出せず失敗に終わってしまいます。
損失が発生する
M&Aを行なった際に、買収先の企業から簿外債務が見つかる、のれんの減損により損失が発生してしまうことがあります。
これは、買収時、デューデリジェンス(企業監査)が甘く怠ってしまったために、買収後に思わぬ負債を抱えてしまう結果、M&Aとしては失敗になってしまうケースがあります。
例として、2006年に東芝が英国ウェスティングハウス社を買収しましたが、2016年に2600億円の減損処理を計上しました。
さらにその1年後、ウェスティングハウス社は破産し、東芝は1兆円以上の減損処理を行なっています。
減損を防ぐために、事前の企業調査や分析を徹底する必要があります。
破産する可能性もある
M&Aを行なうことによって企業との間にシナジーを生み出す、事業の拡大ができるなどの効果が期待できます。
しかし、最悪の場合には破産してしまうケースもよくあることなのです。
買収企業の不正や不良資産が発覚、コンプライアンス違反などに気づかず買収してしまうことが原因となります。
最悪の事態になる危険性もあるため、M&Aを考えている方は専門家のアドバイスのもと、慎重かつ徹底した調査を実施しておきましょう。
2.宿泊施設のM&Aが失敗してしまう原因
失敗する原因
- 簿外債務の発覚
- 買収価格が高すぎた
- 統合プロセスの失敗
- シナジー効果が生まれなかった
- デューデリジェンスが不足していた
- 従業員の流出
- ゴールの設定が曖昧
- 買い手と売り手間の信頼が失われた
簿外債務の発覚
賃借対照表に記載されていない負債が発覚してしまうことがあります。
そうなると買い手としても負債を抱えてしまう可能性もあるので、会社としての信用が失われます。
意図してある簿外債務は問題外として、自社の債務はしっかりと把握しておきましょう。
買収価格が高すぎた
ライバル会社との競合で相場よりもかなり高額な買収価格を設定してしまう人もいます。
また、ライバル会社の先を越されないために、ファイナンシャルプランナーなどに金額を上げて提示した方がいいなどという意見を鵜呑みにしてしまうということもよくあります。
専門家が言うのだから、と言われた通りに行なってしまうと投資対効果が薄くなるといった失敗に終わってしまいます。
統合プロセスの失敗
買い手企業は売り手企業の社風や企業理念などを、売り手企業側の従業員に順応させなければなりません。
この統合プロセスを怠ってしまうと、売り手企業の従業員の不満や反発が起こり、期待していたシナジーは生まれず離職にも繋がってしまいます。
M&A後は入念な統合プロセスを実施しなければ、結果として失敗に終わってしまうといったことが挙げられます。
シナジー効果が生まれなかった
同業種同士でのM&Aにより、エリアの拡大などの事業拡大や、異業種とのM&Aにより新規事業の開拓などのシナジーが生まれることが期待できます。
しかし、実際予想していたシナジー効果が生まれなければ、業績の拡大はおろか買収した効果が薄いといえます。
そうなってしまうと業績の回復や拡大という目標を達成できず失敗に陥ってしまうでしょう。
デューデリジェンスが不足していた
簿外債務の発覚など、想定外の負債やマイナスポイントが発覚するということは、徹底したデューデリジェンス(企業調査)が足りていなかったということが言えます。
隠れた簿外債務が無いかということもしっかりと調査する必要があります。
しかし、買収するのは本当にこの企業が適切なのか、というマッチングに関しても改めて考慮しておくといいでしょう。
従業員の流出や取引先の契約解除
M&Aを考えていることが従業員や取引先に伝わってしまうと、実際のところ印象はよくありません。
「M&A=経営が傾いている」という印象を持たれることが多いからと言えます。
考慮している情報が漏れて外部の関係先に伝わってしまうと、取引解消や倒産を恐れた従業員の離職にもつながりかねません。
M&Aがゴールの設定になってしまっていた
M&Aをしたからといって、企業が成長するかというとそうではありません。
M&Aを行なった後の戦略をしっかりと構築し、その後の目的が見えていないと成功するとはならないでしょう。
まずは売り手と買い手との統合プロセスを行ない、システムやルールなど今後の目標を擦り合わせていくことが必要となります。
買い手と売り手間の信頼が失われた
条件が都度変わってしまう、交渉中に業績が悪化してしまう、M&A交渉中に売り手が株の50%を用意できないなどのケースがあります。
M&Aを行なう企業同士はそれぞれ信頼関係がないと成り立ちません。
ましてや信頼を裏切るような行為をしてしまった場合は、納得のいく結果にはならないでしょう。
3.宿泊施設のM&A失敗事例
では、ここで宿泊施設に関するM&Aの失敗事例をご紹介します。
西武セゾンによるインターコンチネンタルホテルズのM&A
1988年に、西武セゾンは英国グランドメトロポリタン社から高級ホテルのインターコンチネンタルホテルズを買収しました。
しかし、バブル崩壊後のセゾングループ会社の業績悪化による負債返済のため1998年に英国バス社に売却しています。
外資系企業へのM&Aには、海外進出により大幅な事業成長が期待できます。
昨今では日本から海外、また海外から日本へのM&Aを通した進出の動きも活発になっています。
しかし、海外でのM&Aの成功率は37%程度と低く課題があるとも言われています。
4.成功のために実施すること
海外進出や外資系の日本進出に関わらず、宿泊施設を対象としたM&Aの失敗事例はあまり報告されていませんが、実際のところ公表していない場合もあるので一概に全てが成功しているとは言い切れません。
また、宿泊事業だけではなく、大手企業であるNTTグループやキリン、DeNAなどもM&Aに失敗している過去を持っています。
失敗事例や成長事例を念頭に置いて、自社ではどのような対策が必要なのかを講じましょう。
成功するためにまずは綿密な成長戦略を持ち、徹底した事前準備を行なうことが重要となります。
5.失敗事例や失敗するパターンを参考にしてM&Aを視野に入れてみては
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