ホテル等宿泊施設のM&A成功事例は?国内・海外で紹介
ホテル・旅館などの宿泊施設ではM&Aの動きが高まっている動向にあります。
この記事では、M&Aが実施された中でも成功した事例をご紹介します。
宿泊業界におけるM&Aの成功のポイントも解説します。
M&Aについて気になっている方はぜひ参考にしてください。
1.宿泊施設のM&A成功事例【国内】
業績不振や後継者問題を抱えているホテルや旅館を、M&Aによって再生されたケースは多くあります。
国内で行われた宿泊施設のM&Aの成功事例をご紹介します。
大江戸温泉物語によるホテル木曽路のM&A
目的:業績不振
ホテル木曽路は観光ホテル・ドライブイン・オートキャンプ場・ホテル別館の経営を手掛けていました。
しかし、2014年長野県に起きた土石流災害や御岳山の噴火の影響で、ホテル木曽は17年3月期決算時点で約33億5600万円となってしまいました。
業績不振の影響で大江戸温泉物語グループのもとで18年の8月にリニューアルオープンし、資金を投じることで再生させています。
温故知新による海里村上のM&A
目的:後継者不在による事業承継
海里村上は九州の高級名旅館として経営されていましたが、オーナーの体調面による後継者不足が問題となり、温故知新によってM&Aが行なわれました。
オーナーや旅館自体が元気なうちに、「海里村上の良さを理解し、さらに磨き上げてくれそうな人に売却したい」という思いのもと、建物やスタッフ、取引先はそのまま温故知新に2018年8月に引き継がれました。
ニトリによる銀鱗荘のM&A
目的:施設老朽化と人材不足解消
銀鱗荘は北海道文化財百選に選ばれた歴史的な旅館ですが、稼働率の悪さで資金不足となり、施設の老朽化や人材不足となっていました。
そこで、異業種であるニトリが創業の地である小樽の旅館の所有権を2018年8月取得し、M&Aを行ない再生しています。
経営難などホテルの経営課題は多くの宿泊施設で見られています。
海里村上のように、取引の条件を飲んでくれる買い手を売り手側が選ぶことができますし、M&Aによって課題解決がはかれる可能性が高くなります。
2.宿泊施設のM&A成功事例【海外】
日本企業が海外のホテルのM&Aを行ない、海外進出しているケースもあります。
海外企業へのM&A成功事例をご紹介します。
西部HDグループのプリンスホテルによる英国AB HotelsのM&A
目的:事業拡大
2018年11月、西武HDグループの株式会社プリンスホテルは、子会社のStayWellHoldings Pty Ltdを通して、AB Hotels Lidの株式を取得しました。
このM&Aにより、西武HDはプリンスホテルが海外で展開するラグジュアリーブランド「The Prince AKATOKI」の1号店としてロンドンに出店し、日本のホスピタリティと融合させたサービスを行います。
そして、プリンスホテルブランドの認知度を高めることで、海外での売上拡大とインバウンド集客増による成長を目指しています。
星野リゾートによるイシン・ホテルズのM&A
目的:共同経営
2018年3月、星野リゾートは、ホテルブランド「the b(ザ・ビー)」を運営する外資系企業イシン・ホテルズ・グループにおける、投資会社のグローブ・インターナショナル・パートナーズ傘下の特別目的会社(SPC)から50%の株式を取得しました。
星野リゾートとSPCが株式の50%ずつを保有しながら共同で経営すると発表しています。
星野リゾートとしては、今後ITの活用を同グループで積極的に協力したいとしています。
H.I.S.による台湾Green World Hotels Co.,Lid.のM&A
目的:事業拡大
2017年5月に株式会社エイチ・アイ・エスの子会社であるH.I.S.ホテルホールディングスは台湾大手のGreen World Hotels Co.,Lid.を子会社化しました。
Grenn World Hotelsは台湾市内に16軒ものホテルを経営していましたが、H.I.S.ホテルホールディングスが手にしており、日本の効率的ホテル運営などのノウハウを活用し、ホテル事業拡大を目指しています。
海外市場は国内の約10倍とも言われているので、M&Aによって大きな企業成長が目指せます。
日本企業が海外に進出するだけでなく、外資系企業による日本の宿泊施設のM&Aも進んでいる動向が伺えます。
外資系企業の進出により宿泊業界の大きな事業拡大が期待されます。
3.宿泊施設のM&A成功のポイント
M&Aで成功させるために、売り手に価値があると認められることが重要となります。
売り手として成功しているホテル・旅館の特徴を説明します。
売れるホテルの特徴
- 観光地からのアクセスが良く集客力がある
- 不動産価値がある
- 差別化された設備がある
- インバウンドに対応できるスキルがある
- 独自の集客システムが整っている
観光地からのアクセスが良く集客力がある
観光地からアクセスがいいと様々な客層が見込めます。
またさらに観光地であれば、すでに利用したい土地が埋まっていることもあります。
そのため、アクセスが良く人が集まりやすい場所に構えている宿泊施設であれば買い手がつきやすいでしょう。
不動産価値がある
もちろんではありますが、不動産価値があることも売却には大きく影響してきます。
新規で設立する場合、価値が高いと判断されればリフォームなどのコスト削減にもなります。
相場よりも高い価格で売却されるためには、ホテルや旅館などの不動産価値が高いと認められる必要があります。
差別化された設備がある
施設の物自体への需要は希薄になっており、体験型のコト消費への需要が高まっています。
例えばラグジュアリー体験ができるグランピングを併設しているホテルがあります。
テントで非日常の体験をしながら、ホテルの温泉や食事を利用出来る利便性があるという工夫をしているケースもあります。
宿泊にプラスアルファの価値があるホテルなどの宿泊施設は価値が高いと言えるでしょう。
インバウンドに対応できるスキルがある
インバウンドの増加により、対応ができる宿泊施設は買い手がつきやすいと言えます。
予約や接客がスムーズに行えると気兼ねなく利用出来るため、団体客の利用や再利用が見込めるからです。
M&A後、新たな従業員を増やすなどして、インバウンド対応ができるようにする対策が取られることもあります。
しかし、もともと対応できるのであれば人件費などコスト削減が出来るので、買い手にとっても印象が良くなります。
独自の集客システムが整っている
独自の集客システムが構成されているのかもM&Aにおいては重要なポイントです。
旅行会社に仲介している場合は高額な手数料が必要なのでコストがかかります。
それに比べて、独自のサイトがあるなど、集客システムがすでに整っているかどうかで買い手が欲しがる案件か決まるでしょう。
4.成功事例や成功ポイントを参考にしてM&Aを視野に入れてみては
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